雇用不安のなかでマネージャーに何ができるのか。身近なポイントをあげておく。まずは説明能力の向上。マネージャーに課せられた大きなテーマは、いかに説明能力を発揮するかということである。雇用不安は会社と働く個人の信頼関係の欠如から来ている部分もあるので、会社の方針や制度をきちんと説明できていれば、相当部分の不安が緩和・解消される。ところが、実際には会社は人ではないし、経営トップが直接説明できることは限られているため、現場の長であるマネージャーが「いかに不信感が起こらないように説明できるか」が鍵を握っている。
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特に、人事制度をしっかり理解し、わかりやすく適切に説明することが重要である。中途半端な知識であいまいな説明をすると、職場に不安が広がる。だが実際には、不安を緩和させるのではなく拡大させてしまっているマネージャーが多いのかもしれない。説明能力が期待されるもうひとつの場面として、査定評価のフィードバックがある。私は、成果主義が雇用不安の背景にあると考えている。成果主義は、マネージャーが高い説明能力を持っていてはじめて運用に乗るものであるのに、多くのマネージャーにはそれだけのスキルが備わっていなかったということではないだろうか。社会経済生産性本部(現・日本生産性本部)が上場企業を対象に行った調査では、成果主義を導入している企業は約9割に達しているが、「現場で適正な評価ができていない」とする比率が49・8%にもなっている。悪い評価もきちんと伝えて納得させること。そして業績改善への意欲が湧くように動機付けること。それらはすべて、説明能力にかかっている。